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目標16:【平和と公正をすべての人に】

持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

 

SDGs16の目標のタイトルも目標15と同じで文字数が多いのが特徴ですが、この目標実現が、ロシアウクライナ紛争のために、残念ながら、少し遠のいた状況です。

“持続可能”であるためには“平和”が前提で、“平和”のためには“持続可能”が前提と言えるのではないでしょうか。

ストックホルム国際平和研究所の2018年の調査によると、世界の軍事費は約2兆ドル近くもあります。(ODA合計が1500億ドル程度)この紛争でさらに、世界各国の軍事費の上昇が懸念されているところです。

 

目標16では、暴力や暴力に関連する死亡率の削減や、子供への虐待や搾取、人身取引や拷問への警告、違法な武器の取引、組織犯罪、テロリズムや犯罪を無くすための能力の向上などがターゲットに含まれています。世界各国が連携して法的整備の充実を計っていく重要性もさることながら、各企業としても監視していくべき項目も含まれています。

 

違法な武器の取引は論外として、児童労働や強制労働などは、サプライヤー企業で行われていた事実が放置されていたり、劣悪な環境化で労働を余儀なくされていたサプライヤーからの調達が問題視されたりしたこともこれまでもありました。

2020年国連広報センター調査では、人身売買の3分の1は子供、児童労働が1憶6千万人との報告がありました。

企業としては、サプライチェーンの上流から下流まで厳しいマネジメントをする必要があります。

*児童労働を生み出す貧困問題

国際労働機関によれば、国際基準による就業最低年齢は15歳、健康や安全、道徳を損なう恐れのある労働は18歳を原則としています。また、世界の5~17歳の子どものうち10人に1人が児童労働を行っているという実態も報告されています。児童労働を行う子どものなかには命に関わる労働に従事している場合もあるようです。

児童労働が起きる要因は多岐にわたりますが、貧困問題は大きな課題でもあります。目標1とも深く関わりますが、後進国では、児童でも働かざるを得ない状況があるのも事実です。両親が不在で、子どもが働いて家族を養わなければいけない状況もあり、後進国の課題に対して先進国も足並みを揃えて課題解決に向けて援助をすべきだと考えます。

*日本にも隠れたところに児童労働が存在する

児童買春など有害労働に当たる児童買春・児童ポルノ法または児童福祉法などの違反容疑で検挙された件数は2020年で803件も報告されています。(2020年警視庁調べ)

*ビジネスと人権問題

私たち消費者がより安い商品を求めることは当然かもしれませんが、果たしてその商品は原材料がどこで調達され、販売に至るまでの実態を消費者が知ることも必要になるかもしれません。そうなれば、企業の説明責任も含めて企業ガバナンスの重要な課題となってくるのは必然の流れとも言えるでしょう。生産コストを削減と原材料の調達費や労働者に支払われる賃金とどのような関連があるのか、消費者も企業も監視していく必要がありそうです。

 

目標16 平和と公正をすべての人に ターゲット一覧

 

16.1 あらゆる場所において、すべての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる。

 

16.2 子どもに対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する。

 

16.3 国家及び国際的なレベルでの法の支配を促進し、すべての人々に司法への平等なアクセスを提供する。

 

16.4 2030年までに、違法な資金及び武器の取引を大幅に減少させ、奪われた財産の回復及び返還を強化し、あらゆる形態の組織犯罪を根絶する。

 

16.5 あらゆる形態の汚職や贈賄を大幅に減少させる。

 

16.6 あらゆるレベルにおいて、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させる。

 

16.7 あらゆるレベルにおいて、対応的、包摂的、参加型及び代表的な意思決定を確保する。

 

16.8 グローバル・ガバナンス機関への開発途上国の参加を拡大・強化する。

 

16.9 2030年までに、すべての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する。

 

16.10 国内法規及び国際協定に従い、情報への公共アクセスを確保し、基本的自由を保障する。

 

16.a 特に開発途上国において、暴力の防止とテロリズム・犯罪の撲滅に関するあらゆるレベルでの能力構築のため、国際協力などを通じて関連国家機関を強化する。

 

16.b 持続可能な開発のための非差別的な法規及び政策を推進し、実施する。