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目標12:【つくる責任・つかう責任】

持続可能な消費・生産形態を確実にする

 

目標12は、SDGs実現の肝と言えるのではないでしょうか。企業の取組みの中でも、もの目標はマテリアリティ(重要課題)として掲げられていますし、日本の生産者もこの目標達成のために頑張って仕事をされています。

また、我々消費者が日常の消費活動をするうえでの指針ともなっています。

*目標12はSDGs実現への鍵

ターゲット12.3「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる」

このターゲットは、ビジネスチャンスでもあり、“食品廃棄ロス”というキーワードは、飲食業だけでなく、観光業、一般製造業、他、多くの企業での「SDGs宣言」の支柱になっていると言っても過言ではありません。

 

目標2「飢餓をなくそう」でも触れましたが、日本では年間2,800万トン近くの食品廃棄物があり、本来は食べられるのに廃棄されている食品ロス」は年間570万トン~650万トン近くあるとも言われています。単純に考えると、半分でも食料援助品として活用されれば目標2の実現にも貢献することになります。目標2と目標12の同時実現のためのフードバンクなどの活動が期待されています。

さらに、目標12においては、商品の生産から消費までの過程を追跡する“トレイサビリティ”の考え方も重要になります。トレイサビリティとは、追跡を意味する(trace)と能力を意味する(ability)の合成語ですが、サプライチェーン全体を網羅したターゲットが並んでいるので、サプライチェーンマネジメントが企業にとっては重要になってきます。

*大きな鍵となる廃棄物処理

平成30年環境白書によると、日本での全産業廃物は3億7,900万トン、そのうちプラスチックゴミが706万トン、全産業廃棄物のうち15.7万トンが不法投棄されています。不法投棄されないような罰則の強化、それ以前に、廃棄物を減らすための取組み、3R(Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル))という概念がクローズアップされてきており、ビジネス領域も一段と拡大されつつあります。

 

このうち、プラスチック関連リサイクルについては、多くの企業が事業活動として取り組んでいて、マテリアルリサイクル(再生利用)、ケミカルリサイクル(化学原料に戻す方法)、サーマルリサイクル(ゴミ発電等)、それぞれに新しいアイデアと新技術が生まれています。

*プラスチック資源循環法

既に、2022年4月から施行されている「プラスチック資源循環促進法」は、生産活動をしている事業者は確認が必要です。この法律は、プラスチック製品の設計・製造から廃棄物の処理に至るまでのライフサイクル全体を通じたプラスチック資源循環(3R+Renewable(再生可能資源への代替))の促進を図ることを目的としています。後述の観光業界だけではなく、クリーニング業、様々な業界が順守しなければならない法律です。

*観光業界が目指すターゲット(12.b)

ターゲット12.bは、観光業に雇用創出、地方文化振興・産品販促を期待しており、持続可能な観光業を目指しその測定指標を開発することを狙ったもので、観光庁では、各地方公共団体や観光地域づくり法人(DMO)等が持続可能な観光地マネジメントを行えるように、2020年6月、「日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)」を公表しました。観光行政や観光業に関わる事業者は取組み指標として参考になります。

 

目標12 つくる責任つかう責任 ターゲット一覧

12.1 開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる。

 

12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。

 

12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。

 

12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。

 

12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。

 

12.6特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。

 

12.7 国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。

 

12.8 2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。

 

12.a 開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。

 

12.b雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。

 

12.c開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその環境への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する、化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。