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目標9:【産業と技術革新の基盤をつくろう】

レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、 イノベーションの拡大を図る

目標9は、一見、開発途上国の課題と捉えてしまう傾向がありますが、災害に対してのレジリエントなインフラとなると、先進国でも重要な目標になります。また、目標8と同じように、経済の持続性に重点を置く目標でもあります。

2018年におきた台風21号、関西地方を襲い、関西国際空港では浸水で約2週間閉鎖され、また、タンカーが連絡橋に衝突、その威力のすさまじさはテレビでも放映され、衝撃が走りました。千葉県でも停電が長く続き、10万戸以上の断水もあったようです。

1時間あたりの降水量が50mmを超える大雨の発生件数はここ30年で1.4倍も増えたという報告もあり、至るところで河川氾濫、土砂災害、道路網の寸断などが発生しています。 都市部での交通インフラ整備だけでなく、地方都市の山間部での交通インフラ整備はまさに、日本の喫緊の課題とも言えます。

 しかし、企業としては、この目標はビジネスチャンスが多く、ここに、イノベーションが秘めている可能性が大いにあると言っても過言ではありません。

*目標9は、企業のイノベーションへの期待と産業化促進への指針

・ターゲット9.5、9.bで技術開発や研究の重要性が謳われ、「100万人当たりの研究開発従事者数」の大幅増加、官民研究開発の支出の拡大など、企業がイニシアティブをとって、国内だけではなく開発途上国においての支援することが求められています。

・ターゲット9.4では、資源利用効率の向上、クリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大での持続可能性の向上を目指しています。

 

道路、港湾、橋、空港のインフラ整備もさることながら、今後、防災関連事業、ロボット関連事業、AIやIOT技術、ドローン技術などスタートアップ企業も続々登場しており、非常に楽しみです。

 

*今後の課題(インターネットアクセス、大災害への対応)

日本でもインターネットアクセスがないエリアが国内面積で4割程度もあると言われています。(村井純氏)また、2022年7月、携帯電話が一切つながらないという大きな事故も発生しましたが、解決すべき課題は山積しており、まだまだ不安定な要素もありそうです。

情報通信技術も相当進んではきていますが、突発的なアクシデントや想定される災害リスクに対応した官民あげての課題解決が必要となりそうです。

また、地方自治体の気候非常事態宣言への企業としての対応、(*1)TCFD対策、今後30年以内に必ず起きると言われている東海大地震、南海トラフ大地震、(*2)BCPも含めて企業は対策を講じておく必要があります。

 

(*1)TCFD 気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)

(*2)BCP 災害などの緊急事態における企業や団体の事業継続計画(Business Continuity Planning)

 

目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう ターゲット一覧

9.1. 全ての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。

 

9.2. 包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、2030年までに各国の状況に応じて雇用及びGDPに占める産業セクターの割合を大幅に増加させる。後発開発途上国については同割合を倍増させる。

 

9.3. 特に開発途上国における小規模の製造業その他の企業の、安価な資金貸付などの金融サービスやバリューチェーン及び市場への統合へのアクセスを拡大する。

 

9.4. 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。

 

9.5. 2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとする全ての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。

 

9.a. アフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国及び小島嶼開発途上国への金融・テクノロジー・技術の支援強化を通じて、開発途上国における持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラ開発を促進する。

 

9.b. 産業の多様化や商品への付加価値創造などに資する政策環境の確保などを通じて、開発途上国の国内における技術開発、研究及びイノベーションを支援する。

 

9.c. 後発開発途上国において情報通信技術へのアクセスを大幅に向上させ、2020年までに普遍的かつ安価なインターネットアクセスを提供できるよう図る。